「叱られ続けて60年」あなたを「こうでなきゃ」から解き放つ、阿川佐和子の幸せの法則【前編】

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『ビートたけしのTVタックル』や『サワコの朝』で大人気の阿川佐和子さん。最近は著書『聞く力』が大ヒット。今回は、インタビュアー、司会、女優とマルチな才能を発揮する阿川さんの生き方を見つめます。

ワタシのあの頃
厳格な父に叱られ続けてきた60年間、未だにダメ出しされる娘

 「春の城」「山本五十六」で知られる作家・阿川弘之氏を父にもつ阿川さん。厳格な父であるというのは有名。 
 父は、自分がイライラしている状態で子どもに騒がれるのを嫌い、妻に対してもアシスタント扱い。誕生日パーティーを企画して2人しか来なかったときも「だから言ったじゃないか!」と一蹴したそう。
 そんな厳格な父には未だに怒られ、ダメ出しをされているといいます。ちょっとした日本語の使い方も徹底的に直されるとか。

 彼女は60歳にもなって父にダメ出しされる心境をこう語っています。

「93歳になって、頭だけはしっかりしていて、いまだに私は父から『おいっ』って電話がかかってくると『はいっ』って、何怒られるんだろうって思って。なんで60過ぎてこんなに父にビクビクしなきゃいけないんだろうって思いますよね。」
出典:http://www.fujitv.co.jp/wonderful-life/010.html

 しかし今となっては、長年叱られ続けた人生も彼女にとっての生きる糧、そして筆の肥やしに。叱られ慣れない若者が現代社会で問題となり、社会のニーズに応えるかのように『叱られる力』を出版。阿川さん自身、叱られることは未だに怖いと話します。

「誤解されると困るんですが、それだけ叱られて私がたくましくなったということはなくて、いまだに叱られると落ち込みます。ただ、叱られたくないと思うから相手のことをよく見るし、場数を踏んで、叱られたときの対処法は少しは身についているかもしれない」
出典:http://gekkan.bunshun.jp/articles/-/1107

 人よりも叱られてきたことで多少の「免疫」が養われ、怒りを100%受け取らないなど、アガワ流の叱られ術が身についているようです。


変わったきっかけ
輝かしいキャリアを築きあげる一方で、報道の仕事に「違和感」

 時計店の広告を親子で飾ったのを機に、阿川さんはテレビ業界入りを果たします。
 1981年、21歳のときに朝のニュース番組でリポーターデビュー。その後、筑紫哲也さんとともに夜のニュースを担当。アシスタントキャスターとはいえ、華々しいキャリアコースを辿っていました。
 しかし、彼女は徐々に報道に対して違和感を覚えるようになります。
 元々、常識や教養がないと心のどこかで思っていたために、ジャーナリストのように時事を語るのはおかしいのではないかと考えはじめていたのです。

 彼女は当時をこう振り返ります。

「仕事として取材に出かけたり、テレビの前でニュースを伝えたり、ニュースを読んだりっていう、個々の職人的な仕事については文句ないんです。面白いと思ってるけど。だけど、ジャーナリストとして、世界のことを自分の責任で伝えるとか、『このニュースはしばらく見守っていきたいと思います。』なんていうのは、お前おかしいだろって、友達に言われるような気持ちがするんですよ、どっかで。わかんないくせにっていう。」
出典:http://www.fujitv.co.jp/wonderful-life/010.html

 阿川さんは次第に「戸惑い」を隠しきれないようになり、ついにはニュースキャスターを降板。報道の最前線にいることが限界だったようでした。

 そして、ニュースキャスターを降板後、インタビュアーとして復活を遂げるまで彼女には「空白の時間」があります。30歳ももう終わりというタイミングで渡米し、アメリカのスミソニアン博物館でボランティア活動に従事。人生の節目を迎え、色々な縛りに疲弊していた彼女にとっては、このアメリカでの経験が生きる支えとなったようでした。

『いくつで結婚しなきゃいけないとか、いくつでこの仕事達成しなきゃいけないとか、いくつで転職しちゃいけないとかいうような、縛りっていうのは別にないんじゃない?っていうようなことを言われた時に、何かすごく解放された気がして。」
出典:http://www.fujitv.co.jp/wonderful-life/010.html

 心身共に解放された彼女は帰国後、インタビュアーとして返り咲くことになります。(Erica Yamaguchi)

▶▶【後編へ続く】
「向上心は持たない」あなたを「こうでなきゃ」から解き放つ、阿川佐和子の幸せの法則【後編】
〈 次回は4月17日(金)更新予定です 〉

新たな “視点” で、
昨日よりもちょっといいワタシに。
―――― eyes.+