「ピアニストは機械じゃない!」聴力を失ったピアニスト・フジコ・ヘミングが困難にくじけず進みつづけるワケ【後編】
▶▶【前編を読む】:「異人から一夜にして有名に」聴力を失ったピアニスト・フジコ・ヘミングが困難にくじけず進みつづけるワケ【前編】”
聴力を失ったピアニスト、フジコ・ヘミングさん。前編では、数々の困難に見舞われ、運命の歯車に翻弄された半生をたどりました。後編では、苦難を乗り越えてきたフジコさんが、これからも立ち止まらずに「ピアノをひきつづけるワケ」を見つめます。
今と、これから
ピアノの音色を通して、これからも広がる様々な活動
世界中にファンも多いフジコですが、比較的遅めのテンポと、ミスタッチのように聞こえるときがあることから、演奏技術に対して批判的な意見があることも事実です。
けれど、「一番大切なのは音色」と言って批評をものともせず、自分自身が納得する音を追い求め続けているのです。
超絶技巧に中身(人間的、愛、頭)がなければ、うつろな響きしか出ません。そんなものは機械でやった方が良いでしょう。演奏家の人格と頭脳は、必ず演奏に表れます。
出典:http://www.newsdigest.fr/newsfr/features/4243-fuzjko-hemming-interview.html
また動物愛護家としても有名で、寄付をするだけでなく、実際に数十匹のネコたちと一緒に暮らしています。
他にも、テロの被害者な難民への支援、東日本大震災でのチャリティーコンサートなど、様々な形で慈善活動の幅を広げています。
クリスチャンとして、人間はそのためにこの世に生きていると子供のときから教えを受け、やれるだけのことはやろうと頑張っています。特に虐げられた子供や動物のためにはできるだけのことをしたいし、他の方々にも、心だけでなく行動を取ってもらいたいです。愛とは行動をすることです。
出典:http://www.news-digest.co.uk/news/features/8705-ingrid-fuzjko-hemming-interview.html
祈ること? どうか世界から、飢えで苦しむ子どもや動物がいなくなりますように。そして、私のピアノで救われる人がいるのなら、どうぞよりよい演奏ができますようにって。だから、立ち止まれない。進みつづけるだけ。私だけの音、私だけのピアノを、これからもっともっと高めていきたいと願っています。
出典:http://www.sekisuihouse.co.jp/gm/inter/10/
フジコの代表曲とも言える「ラ・カンパネラ」。「鐘」という意味を持つ曲の通り、時には強く、時には弱く、鍵盤が叩かれるたびに様々な音色が響き渡ります。超絶技法として知られていますが、フジコの演奏を聴くと、その技術より、彼女が積み重ねてきた「重み」に胸が打たれるような気がします。
すでに80を超える年ではありますが、まだまだ現役として、活動を広げていくフジコ。これからもアーティストとして、慈善家として、とらわれない生き方を貫いていくことでしょう。(小森矢 羽美)
キラリと輝く名言
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昨日よりもちょっといいワタシに。
―――― eyes.+
・フジコ・ヘミング公式サイト
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