いつだって“自分志向”でありたい。哀しみも憤りも力に変えて進むマザーハウス・山口絵理子

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 今回は、「バングラデシュから世界に誇るブランドを」の信念のもと、発展途上国の労働環境向上を目指す女性、マザーハウス・山口絵理子さんの自らの想いを突き通すチカラを見つめます。

ワタシのあの頃
いじめられていた小学生時代と、バングラデシュで出会った想像を絶する光景

 小学生時代、山口さんはいじめられ、不登校状態になりました。

「もっと強くなりたい」「大人になったら楽しい学校をつくりたい」。つらい毎日をすごしながら、いつもそんなことを考えていました。
出典:http://case.dreamgate.gr.jp/mbl_t/id=787

 その反動で中学では非行に走り、高校では強くなるために男子柔道部に唯一の女子部員として入部。柔道では全国7位という日本トップクラスの成績を修めました。

 その後、大学に進学。大学4年の頃、発展途上国には学校に行けない子どもたちがたくさんいることを知ります。山口さんは、自らの目で現場を確認するために、アジア最貧国と呼ばれるバングラデシュへ単身渡ることを決意します。

 バングラデシュに降り立った山口さんが見たのは、想像以上の光景でした。ストリートチルドレンがあふれかえり、貧困が街を覆っています。

こんな世界があるなんて知らなかった。こんなちっぽけな私でも、何かできることはないでしょうか。
出典:http://www.mother-house.jp/

 そう思った山口さんは、当初2週間だった滞在予定を延ばし、バングラデシュの大学院に入学。それでも、なかなか自分のやりたいことは見つかりません。山口さんを支えたのは、「目標を見つけるまでは帰らない」という意地でした。

 「楽しい学校を作りたい。子供が楽しく過ごせるような環境を作りたい」そんな山口さんの想いがバングラデシュで再燃します。見知らぬ地の大学院に入学する、という山口さんの行動力はなかなか真似できないかもしれませんが、「目標を見つけるまでは帰らない」といった、ここまでやり切ろうという目標設定は私たちも真似できるのではないでしょうか。

変わったきっかけ
「バングラデシュから最高のバッグを創りたい」現地の人々に想いを伝え続ける

 そんな中、この貧困の社会を変えるのは、ビジネスなのではと考え始めます。そこで目をつけたのが、天然素材のジュート。ジュートは、地球環境にやさしい素材であり、インド・バングラデシュが世界の総輸出量の90%を占めていました。

 「これだ!」と直感した山口さん。「バングラデシュで、ジュートを使った世界に通用するバッグを作ろう。継続的な雇用を生み出せば、貧困を解消できるかもしれない」と思います。

 まず、バッグを創るために、生産工場を探さなければなりません。しかし、工場を何十件も回るも、まったく相手にされませんでした。でも、もうダメだと諦めかけたときに、ついに協力してくれるバッグ工場を見つけます。

 何度も何度もスタッフたちとやりあって、やり直しを繰り返し、何とか満足のいくバッグを創り上げました。その大切なバッグを持って、日本へ帰国。そして、2006年3月に、バッグを売るための会社、株式会社マザーハウスを設立しました。

 しかし山口さんは、その後も工場に裏切られ、逃げられたり……何度も大きな心の傷をおいます。でも、山口さんは諦めませんでした。

ここで逃げたら、何の意味もない。
出典:http://www.mother-house.jp/

 どんなに辛くても、繰り返し現地の「ナマの声」を聞き、自分の信念を伝え続けた山口さん。そして、ようやく本当に信頼できる今の仲間に出会います。

 現在、マザーハウスは、日本だけでなく台湾にもにも店舗をもつ、人気ブランドになっています。

 山口さんは、バングラデシュ中でデモが起こり非常事態宣言が出されたときでさえ、「ここで逃げたら、何の意味もない。希望のない地にも、希望の光は灯ることを証明したい。」と思い、バングラデシュに残る道を選びました。山口さんの人生で特筆すべきは、「折れても、立ち上がってやる」という「意地」なのではないだろうか。

ワタシの今、これから
いつだって自分に正直に……“自分志向”でいたい!

 山口さんは、自分の未来についてこう語る。

面白い企業でありたいと思うんですよね。マザーハウスを見て「次は何をやるんだろう?」っていう会社になりたいです。
出典:http://www.myeyestokyo.com/

 軌道に乗るまでは「なんでそんなことやっているの?」って言われることも多かったし、誰もやったことないことをやるのはハードルの連続でした。でも、他人と自分を比べてもしょうがないし、それどころじゃない人たちは目の前にたくさんいる。いつでも自分の心に向き合って、納得できる答えを出していく”自分志向”でありたいと思っています。何よりも、自分自身が納得できないと続けていけないので。
出典:http://www.cafeglobe.com/

 
 世界を飛び回って活躍する山口さんは、まさにスーパーウーマンそのもののように見えます。しかし、長い道のりの中では、きっと私たちと大きくは変わらず、日々もやもやした気持ちと闘いながら、挫折と挑戦を繰り返していたのではないでしょうか。
 
 もし、違うところがあるとしたら、「自分のやりたいこと」に正面から向き合うことを片時もやめなかった、その一点だけなのかもしれません。

キラリと輝く言葉

いつだって、"自分志向"でありたい

新たな “視点” で、
昨日よりもちょっといいワタシに。
 ―――― eyes.+

 

【山口絵理子さんの名言】

こんなちっぽけな私でも、何かできることはないだろうか。
ここまでやれたのだから、本気で取り組めば絶対にできる。
いつだって、“自分志向”でありたい

【参考・引用元】

MOTHER HOUSE ホームページ
Big Generators #1 山口絵理子さん(My Eyes Tokyo)
「こうしたくない」は「こうしたい」よりも強い/マザーハウス・山口絵理子さん(cafeglobe)
第81回株式会社マザーハウス 代表取締役社長 山口絵理子(DREAM GATE)
好きが生み出す信頼関係――マザーハウス山口絵理子代表の原動力(オルタナS)