小さな少女でも世界は変えられる~『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』から学ぶ“勇気をもつこと”の大切さ【中編】

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前回に引き続き、大ヒット上映中『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』(ウォルト・ディズニー・ジャパン配給)の主人公ソフィーを通しての“勇気”を見つめます。

変わったきっかけ
相手を尊重し、大切に思う心から真の友情は生まれる

BFGがソフィーを連れて行った、「夢の国」は、とても幻想的で素敵な場所。

「ドリーム・ツリー」と呼ばれる大きな木から色とりどりの「夢」が生まれ、輝きを放ちながらあたりを飛び回っています。そのあまりの美しさに驚きながらもソフィーは、BFGと一緒に“夢捕り”に挑戦します。そして、夢には、良い夢と悪い夢があるのを知ります。

BFGが、星やアリや芋虫などの、どんな小さな音さえも聞こえることを知ったソフィー。
捕まえた悪い夢がどんなことを言っているのかも知りたがります。

ねえそれどうするつもりなの?
出典:ソフィーのセリフより

その悪い夢はなんて言ってるの?
出典:ソフィーのセリフより

ここでもソフィーの“何でも知りたい!”は止まりません。しかし、そのことが、のちに凶暴な巨人を倒すきっかけにもなるのです。

色々なことに興味を持つことは、知らない世界への扉を開いてくれます。

自宅に戻ったBFGは、ドリーム・ツリーから集めて来た夢を調合し、ソフィーと共に、人間に夢を吹き込みに出かけます。

BFGが選んだのは、ひとりの男の子。なぜ、彼のところに来たのか尋ねたソフィーに、BFGは小さな心の音に呼ばれたと話し、幸せな夢をその男の子に吹き込むのでした。

BFG、あたしの…心の声も…聞こえたの?
出典:ソフィーのセリフより

初めて、なぜBFGが自分のところに来たのかわかったソフィー。彼女が、児童擁護施設の中で友だちもいなくて、寂しい思いをしていたことをBFGは知っていたのです。

心を完全に通わせた二人でしたが、ソフィーが凶暴な巨人のところを通るときに、毛布を忘れてきたのを知ったBFGは、ソフィーを守るために、彼女が寝ている間に児童養護施設に連れ帰ります。

目覚めたソフィーは、姿の見えないBGFに必死で呼びかけます。

あたし寝ちゃったの? なんで夢なんか見せるの? なんで夢なんか見せるわけ?
なんで夢なんか見せるの?

出典:ソフィーのセリフより

児童養護施設に連れ戻されたことに納得のいかないソフィーは、ここでも諦めません。
ソフィーは、近くにいるであろうBFGに訴え続けます。

姿が見えなくてもBFGがそこにいることを感じられたのは、そこまで二人が心を通わせ信頼できる関係になっていたからこそ。この関係が築けたのは、ソフィーがそれまでに、BFGに数々の質問をして、お互いについて理解しあえたからに違いありません。

相手を理解し、心通い合う関係になるための1番の近道は、相手に興味を持つことだとソフィーは教えてくれます。

BFGには、自分に読み書きを教えてくれた男の子が、凶暴な巨人に食べられたという、悲しい過去がありました。もう2度とそんな悲しい思いをしたくないというBFGに食い下がるソフィー。

そんなことにはならないわ。巨人たちをやっつけて追っ払ってしまえばいい
出典:ソフィーのセリフより

男の子が巨人を怖がっていたことを知っても、自分はその子とは違うと訴えます。

あたしは平気。あたしは平気。(泣きながら)あたしは平気よ!
出典:ソフィーのセリフより

イギリスを始め、あちこちの国に脅威を与えていた凶暴な巨人を倒したいというソフィーの真剣な気持ちは、ついにBFGの心を動かします。

ソフィーの勇気に心を打たれたBFGは巨人の国に舞い戻ります。BFGがソフィーと一緒に戦おうと思ったのには、自分に対する自信が生まれていたことも大きな要因でした。

BFGは“言いまちがい”のことを“言いまつがい”というように、数々の言い間違いをするので、そんな自分に自信がなかったのです。言いたいことはわかっているのに、口から出るときにいろいろな言葉が混ざってしまうのは、一生の悩みの種だと思っていました。

あの……。あなたの話し方、素敵だと思うわ
出典:ソフィーのセリフより

このソフィーの言葉に、こんなにうれしい言葉の贈り物をもらったのは生まれてはじめてだと喜ぶBFG。それまでは、自分の語る言葉に劣等感を抱いていた彼も、自分自身を認めることができたのです。

ソフィーは相手の心を思いやり、温かい言葉をかけることのできる少女でした。

凶暴な巨人に立ち向かおうとする二人。
相手の優しさに触れ、信頼できる相手だと思えたからこそ、二人で協力して立ち向かおうと決心したのです。

相手を思いやる心は、“強さ”にもつながります。

ソフィーやBFGよりはるかに大きな巨人を倒すのは、とても困難なことです。
けれど、ソフィーは英国女王の力を借りるというアイデアを思いつきます。

自分のことも入れてる? 女王さまの、夢の中では、小さな女の子が、窓辺に座ってるのよ。それで、お目覚めになると、ほんとにあたしがいるの。BFGも
出典:ソフィーのセリフより

凶暴な巨人の存在と脅威を女王様に知らせて、退治に協力してもらおうと考えたソフィーは、BFGに夢を調合してもらいます。

その夢は、凶暴な巨人も、ソフィーもBFGも登場するというソフィーの考えたものでした。

その計画は成功し、女王はソフィーの筋立て通りの夢を見て目覚めます。窓辺に夢と同じ女の子がいるのを見つけた女王は、夢を信じ、BFGを呼ぶように言います。

あの傷つけないって約束してもらえますか?
出典:ソフィーのセリフより

女王に信じてもらえたことに喜びながらも、ソフィーは冷静さを失いません。BFGが傷つけられることのないように確認をとります。

怖気づいてしまい、姿を現すことのできないBFG。女王は夢を疑いそうになります。

ちょっと待ってください。怖がってるだけです。彼はこんなふうに人の前に出たことが一度もないから。BFG!さあ勇気を出して!
出典:ソフィーのセリフより

姿を現わさないBFGのことも、焦ることなく冷静に対応するソフィー。

ソフィーの呼び掛けに、ついにBFGは女王の前に姿を現したのでした。

ソフィーとBFGは言い争いをしながらも、お互いへの理解を深めていきました。小さな少女と大人の巨人。そんな関係でも、友情は芽生えることを、この映画は教えてくれます。

自分が言い間違いばかりしてしまうことにコンプレックスを持っていたBFGに対しても、ソフィーは笑うどころか、BFGの魅力の一つととらえます。相手を思いやり、傷つける言葉を投げかけないソフィーだからこそ、BFGも彼女を大切な人と思うようになったのです。

自分と違うからと言葉で攻撃する人が多くなった今、ソフィーとBFGの関係は、“違っても認めて相手の人格を尊重する”ことをもう一度思い出すきっかけになるのではないでしょうか。

お互いを認め合い、大切に思う気持ちが、二人の絆を強くし、凶暴な巨人を倒すためのパートナーとなったのです。

(山庭さくら)

▶▶【後編へ続く】
小さな少女でも世界は変えられる~『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』から学ぶ“勇気をもつこと”の大切さ【後編】

【参考記事】
シネマトゥデイ 〈 次回は9月19日(月)更新予定です 〉

新たな “視点” で、
昨日よりもちょっといいワタシに。
―――― eyes.+

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Disney『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』

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