過去を変えたい?『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』から学ぶ、時間の大切さ【後編】

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今回は、2016年7月1日公開『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』(ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン配給)にアリス役で出演するミア・ワシコウスカとアリスの、過去から得たものについてを見つめます。

今と、これから
いまを変えるために、時間を遡る。過去の自分との対話

クロノスフィアの力で過去の世界を旅するアリスは、ワンダーランドで過去のマッドハッターと会い、幼かった赤の女王と白の女王の境遇までもを目の当たりにすることに。

かつての暴君・赤の女王の恐怖政治も、過去の時点で阻止すれば、マッドハッターの家族が見舞われる悲劇もなく、ワンダーランドの未来も明るく変わるはず……。
アリスは必死の行動にでます。

しかし、クロノスフィアを取り戻すために、タイムが後を追ってきます。

クロノスフィアは、万物の時を刻む大時計の原動力でもあります。その原動力がないと、ワンダーランドの時が止まってしまうからです。

そしてタイム自身の体にも関わるもの。

アリスは過去のマッドハッターに、これから家族に危機が訪れること、離れてはいけないことを伝えます。
けれども、過去のマッドハッターは父との確執から聞く耳を持ちません。

現実世界で父を亡くしているアリスは、懸命にマッドハッターを諭しました。同じ悲しみを背負ってほしくない、そして未来で、傷ついてほしくないからです。

私父を亡くしたのよ 思い出さない日はないわ 家をでたら あなたもお父さんを失うのよ 父はもう帰らない でもあなたにはまだチャンスがあるわ お父さんを助けて本当の自分に戻るのよ 立派な帽子屋になるの
出典:アリスのセリフより

家族との絆については、アリスを演じたミアさんもインタビューでこう語っていました。

このとても孤独な世界のなかで、家族や愛、そして絆を追い求めている若者はたくさんいると思います。
出典:http://www.moviecollection.jp/interview_new/detail.html?id=65&p=1

物や情報に溢れた便利な世の中ですが、だからこそ取り残されてしまったような錯覚に陥りがちです。
だれかと繋がりを持ちやすい便利な時代と逆行するようですが、真の絆や繋がりを、わたしたちは求めているのだと、ミアさんは言うのです。

役者であるミアさんも、アリスも、家族や大切なひとへの思いが強い女性へと成長していました。

今回アリスが活躍しているのは、過去のワンダーランド。
マッドハッターの過去を変えるため、赤の女王の過去にも関わりますが、そこで体験したことにより、時間に対する考えに変化が訪れます。

アリスは赤の女王がなぜ暴君となったのか、独特な大きな頭となったきっかけなどを知ることとなったのですが、そのどちらのきっかけも、変えることができなかったのです。

アリスの心はひどく揺れ動きました。過去を変えて未来を変えるつもりだったのに、過去は変えられないという事実を、受け入れなければならなくなったのですから。

それでも時間の旅は続きます。

徐々に心の変化を見せるアリスは、迫り来る問題を乗り越えつつ、ついに大きな秘密を手に入れました。
マッドハッターの家族に起きた災難は変えることはできませんが、再会の可能性を見つけたのです。

アリスは大急ぎで過去から戻り、マッドハッターには未来を変えられる可能性があることを告げます。すると彼はみるみる生気を取り戻し、今度はマッドハッターと赤の女王との対決に……。

その最中に明るみなるのは、誰もが変えたい過去があるということ。

赤の女王イラスベスにも、変えたい過去がありました。

なんで誰にも愛されないの?
出典:イラスベスのセリフより

白の女王にも、償いたい過去がありました。

それぞれの想いを知ることにより、アリスは今までの時間に対する考えを見直すきっかけを得ます。

以前、アリスは時間を泥棒だと言いましたが、それは過去に囚われて立ち止まっていたから、そう感じていたのです。

そんなアリスの心の変化の反面、ワンダーランドの時は止まりかけていました。
アリスに残された大仕事は、クロノスフィアをあるべき場所に戻すこと。

クロノスフィアがなければ、ワンダーランドの時間を司る大時計は動かないのです。
背後に迫る、時の停止、ワンダーランドの終わり。

一刻を争う一大事に、ワンダーランドの仲間たちはアリスにワンダーランドの運命を託しました。

アリスを、心から信じて。

やがて……。

アリスはワンダーランドの消失の手前、クロノスフィアをタイムに返すことができました。

そして、時を遡り、過去をめぐる旅で成長をしたアリスは、タイムにこう告げます。

時間は泥棒だと思ってたの 大好きなものを奪い去るから でも 奪い去る前に与えてくれるのね 毎日が宝物よ 毎時間が毎分、毎秒が
出典:アリスのセリフより

過去を変えることはできないけれど、過去の経験から未来へのヒントを得ることはできます。
過去は変えられないけど、現在から先を変える行動を、選択することはできます。

アリスも、マッドハッターもみな、過去のできごとに囚われて足がすくみ、前に進めなくなっていただけだったのです。
時間は恨むべきものではないということを、この旅でアリス学びました。

すっかりワンダーランドらしさを取り戻した鏡の奥の世界から、再びストレスが多い現実社会へ戻ったあとのアリスは、もう迷いません。

時間の旅をしたことで、刻々と変化する社会に対しても、堂々と立ち向かう勇気を得たのですから。

過去は変えられないけど過去から学ぶことはできるわ
出典:アリスのセリフより

現実でうまくいかないとき、ストレスが溜まっているとき、成長を感じられないとき……。
不調の原因を過去のせいにしてしまうと、わたしたちの成長はとまります。
過去を拒絶することは、今を否定すること。

アリスはマッドハッターという親友のために、時間の旅に出ました。はじめは、マッドハッターの過去を変えることを、自身の過去を変えることと重ねていたのかもしれません。だけど、不思議の国でも過去は変えられない。現実世界なら、なおさらです。

作中で、さまざまなキャラクターの過去が明かされます。どのキャラクターの過去も、現在につながるもの。そして彼ら自身の現在の選択が、未来を変えます。ワンダーランドの不思議な世界、愉快な仲間は、アリス自身の不安や悩みを表しているという説もあります。するとアリスにとって、マッドハッターの望みを叶えることは、アリス自身の成長に必要なことだったのかもしれません。

一歩踏み出す勇気がでない、めまぐるしい環境の変化についていけない。昔が良かった。そう感じる人は、ぜひ『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』を観て、アリスとともに過去と未来について、時間の使い方について見つめ直してみてください。きっと過去から学べるものが、みつかるはず。

(たまさき りこ)

キラリと輝く名言

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新たな “視点” で、
昨日よりもちょっといいワタシに。
―――― eyes.+
【参考記事】
ムビコレ

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Disney『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』

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