大切なものは過去か未来か 『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』から学ぶ、時間の大切さ【中編】

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今回は、2016年7月1日公開『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』(ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン配給)にアリス役で出演するミア・ワシコウスカとアリスの、過去の捉え方を見つめます。

変わったきっかけ
いまを変えるために、時間を遡る。過去の自分との対話

アリス役を演じるミアさんは、前作の『アリス・イン・ワンダーランド』公開後、演技派ハリウッド女優としての華麗な活躍をみせました。

難しい役にも挑戦し、各界からの評価も上々でしたが、周囲が抱く期待や、不安との戦いでもありました。

特に、映画の原作がすでに多くのファンの指示を得ている場合、原作ファンと、演者としてのイメージの相違には気をつかったようです。

観客がすでに先入観を抱いている人物を演じるのは大変でした。それから、原題ではもう使われていない、昔の、美しくて詩的な言葉を自然に話さなければいけないことも難しいことでした。
出典:http://www.moviecollection.jp/interview_new/detail.html?id=65

過去の名作を映画として表現する際、原作ファンからの多少なりのバッシングなどがあるといいます。

明言はしていませんが、ミアさんは過去から現在に続くファンの歴史や思いを受け止めながら、女優として活動しているのでしょう。

また、6年ぶりにアリス役を演じることについては、

(前略)アリスの道のりと私の道のりがかぶっていたことは、今回の演技にもとても役立ちました
出典:http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/38990/2

とのこと。

多くは語ってはいませんが、少女からおとなの女性への成長段階において、アイデンティティの追求をしたり、人との関わり方などについて自問したのではないでしょうか。

アリスもミアさんのように、おとなの女性へステップアップするにあたり、信じる強さは得ましたが、そのぶん失った時間への憂いも積み重ねていました。

最新作『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』では、ワンダーランドの住人たちや、心身弱り切ったマッドハッターと再会します。

前作のアリスの活躍により、赤の女王は失脚し、心優しく見目麗しい白の女王が、ワンダーランドを統治していました。

そんなワンダーランドに欠かせないマッドハッターの衰弱ぶりに、ワンダーランドの仲間たちは、アリスの再来を喜びます。

アリスは早速、マッドハッターを訪ねて元気付けようとしました。
でも対面したのは、とあることがきっかけで、家族を失った悲しみを思い出し、心を閉ざしてしまったマッドハッター。

かつての面影を失いつつある彼がアリスに願ったことは、家族との再会でした。

亡くなった家族との再会を望むマッドハッターの気持ちを、父を亡くしたアリスは痛いほど共感します。
それでも、死者を蘇らせることは不可能です。

ここでもまた、「時間」は残酷であると恨めしく思うアリス。

マッドハッターの望みは叶えられないと告げると、マッドハッターは人が変わったように、アリスはアリスではないと拒絶を示し、より深刻な状況へと事態は急変していましました。

それでも、アリスはマッドハッターを見捨てることができません。そこで白の女王ミラーナに助言を求めると、とんでもない提案をされます。

アリス…時の流れを遡るのよ
出典:ミラーナのセリフより

過去に戻ってマッドハッターの家族を救うの
出典:ミラーナのセリフより

マッドハッターの家族の危機を救うために時間を遡ることは、簡単なことではありません。
時の番人、その名も「タイム」から、万物の大時計の原動力「クロノスフィア」を借り受け、時間の旅に出なければならないからです。

さらに、ワンダーランドの住人が過去の自分に会ってしまうと、世界が消えてしまうという。
ところが、ワンダーランドの住人ではないアリスならば、その大役もこなせるということ。

危険な方法だと理解しながら、アリスは親友マッドハッターのために、タイムのもとへ……。

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時を司るタイムは、半身機械、半身人間という奇妙な姿。なんと、自身が時間の化身という不思議な存在です。また、ワンダーランドの住人ひとり一人の、命の時間も管理していました。

タイムは、クロノスフィアを借りたいと交渉に現れたアリスに対して、ポケットに忍ばせていた父の形見の時計を「死んだ者」と言い、過去についての持論を述べます。

お嬢さん 過去を変えることはできない だかそこから…学ぶことはあるかも知れん
出典:タイムのセリフより

至極もっともなことを言っていると、わたしたちは気付けるかもしれません。

でもこのときのアリスにとって、マッドハッターを救うことが一番の目的。
目的を果たすための近道は、過去に行って、過去を変えることです。
タイムの言葉は、アリスを止める理由にはなりません。

そしてアリス自身も、過去を変えれば未来が変わると、信じていました。
若き日のマッドハッターと家族の形そのものを変えれば、悲しい日を迎えなくてすむと。

アリスは一瞬の隙を見て、タイムからクロノスフィアを奪い、過去へ……。

本当に、アリスの選択は正しいのか。
その答えを、アリスはまだ知りません。

アリスは親友マッドハッターを救うために、航海と同じように厳しくリスクのある世界に飛び込むことを選びました。アリスは亡くなった父との再会はできませんが、ワンダーランドの住人であるマッドハッターには、過去を変えて未来を変えるチャンスがあると、信じていたからです。

また、親友に自分と同じような後悔をしてほしくなかったのでしょう。物怖じせずに難題に挑む姿は、以前と変わらぬアリスの強さです。でもアリスの今回の課題は、過去と向き合うことではないでしょうか。これは、現代に生きる女性にも深く関わりのある課題だと思います。「自分の生い立ちや過去の状況のせいで、今身動きができない」と、問題の本質から目をそらしてしまうことあるはずです。
アリスもわたしたちも、問題の本質や未来への活路を未だ、見出せていないのかもしれません。全ての困難は、過去のせいなのでしょうか。

(たまさき りこ)

▶▶【後編へ続く】
過去を変えたい?『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』から学ぶ、時間の大切さ【後編】

【参考記事】
ムビコレ

〈 次回は7月3日(日)更新予定です 〉

新たな “視点” で、
昨日よりもちょっといいワタシに。
―――― eyes.+

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Disney『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』

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