だれもが、明日を笑って夢見る世界を目指して。医療技術師・栗山さやか【後編】

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出典:http://www.sankei.com/life/photos/150302/lif1503020008-p1.html

 前回は、アパレルのギャル店員だった栗山さんが、自分ができることを探す旅で得たものについて見つめました。今回は、栗山さんが求める「穏やかな世界」とはなにかを見つめます。

今と、これから

 栗山さんは日本に一時帰国をしたのち、再びモザンピークへ向かいました。
 現地での課題は山のようにあり、医療現場での実務的なケアの他に、健康に対する正しい知識の普及や、子どもたちの就学支援なども改善しなければならなかったからです。

 貧困地域でHIV患者が増加する原因は、おとなの知識不足からはじまり、その子どもも母子感染をしてしまうケースが多いと言われています。さらに、両親を幼くして失った孤児たちは、より深刻な貧困生活を余儀なくされるのです。このように世代を超えて続く悪循環を、早期に断ち切る必要がありました。

 そこで栗山さんは、ブログ「プラ子旅する。」からの寄付金や、栗山さん自身の貯金をもとに支援団体「アシャンテママ」を設立。ここでの活動は、座学による学問の普及だけでなく、物資や食料支援、農業や畜産など、それぞれの力で収入を得て、自活する方法を学ぶことまで幅を広げています。

「女性や子供たちの可能性を少しでも広げるために、さりげないことができたらいいなと思います」

出典: http://www.sankei.com/life/news/150302/lif1503020008-n1.html


――援助は自立心を壊す。――よく言われる言葉です。でもこうして貧しい人たちをそばで何年かだけですが見させてもらって、それはないように思います。みんな汗を流して仕事をして、それで食べ物を手に入れる。それがみんなが望んでいることだと思います。ただ、もうどうしようもない状況、病気の悪化、極度の栄養失調、命にかかわってしまうときは、どうしても無償の援助は必要だと思っています。

出典:urako.jugem.jp/?page=1&cid=5

 栗山さんが支援してまわる地域は、強盗や殺人などの重犯罪が多発する場所です。自身も危険を感じることがあるようですが、実際に被害にあってしまった人たちのことを優先し、被害にあった患者の心と体の傷を癒す生活を選択したのです。

 渋谷の街で、なにひとつ不自由のない生活を送り、なにげない幸せを感じていた栗山さん。
 現在は、貧しい人々と同じ屋根の下で、同じ食事を摂り、同じ目線で世界を見ています。

「なんで彼女が死んで、私は生きているんだろう。私は何のために生きてるんだろう」

出典: http://jisin.jp/serial/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84/social/11495

 親友を失った直後に生まれた疑問を解くために、世界に飛び出した栗山さんが見つた答えは、自らの力で「平等な生活」を目指す活動をすること。

ただ生まれた国がちがったっていうこのことだけで、薬も手に入らず苦しむ子たち、ボロボロの体でよたよたして、物ごいしている子たち。この子たちの未来には、何が待っていて、どこにつながっていて、逃げられない現実を一生懸命笑顔で受け止めているこの子たちが苦しくてたまりませんでした。

出典:http://purako.jugem.jp/?cid=2

 将来、栗山さんがこのような言葉を綴らずにすむような世界を望みます。
 なにができるかは、皆それぞれ違っていいはずです。

 世界は広い。
 だからって、貧富の差があっていいわけではありませんから。

 日本に帰れば、おしゃれもできるし好きなものを食べることができる。暑い日は涼めるし、寒い日は暖かい布団に潜ることができる。それなのに、栗山さんは貧しい人たちのために、モザンビークへ飛び立ちました。栗山さんは特別強い女性ではありません。
 患者が亡くなれば涙をこぼし、元気になれば一緒に喜べる「優しい」女性です。栗山さんの活動が気になる方は、栗山さんが金の星社から出版した『渋谷ギャル店員 ひとりではじめたアフリカボランティア』を読んでみてはいかがでしょうか。人生のヒントが、みつかるかもしれません。 

(たまさき りこ)

キラリと輝く名言

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▶▶【前編を読む】:生きるってなんだろう。元ガングロギャルの医療技術師・栗山さやか【前編】

新たな “視点” で、
昨日よりもちょっといいワタシに。
―――― eyes.+