同性婚でパートナーとの絆を深めた世界屈指のサッカー選手。アビー・ワンバック【前編】

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201-018

出典:http://www.orlandosentinel.com/sports/os-pictures-abby-wambach-through-the-years-201-018-photo.html

今回は、サッカー女子ワールドカップカナダ大会でアメリカを優勝に導いた、世界のトッププレイヤー、アビー・ワンバックさんの、人間としての深い魅力と、世界中に注目された「女性との同性婚」という彼女の選択について見つめます。

ワタシのあの頃
オリンピックで「金」メダル獲得。でも、ワールドカップでは手に入らない。屈辱の敗戦

 ワンバックさんは、1980年にアメリカのニューヨーク州で生まれました。
 スポーツをしているきょうだいの影響を受け、サッカーに出会ったのは4歳のころでした。なんと5歳にして才能を発揮し、3試合で27ゴールを決め、女子チームから男子チームに移されたなどの伝説があるそうです。

 また、ワンバックさんは身長180センチという体格に恵まれています。たぐいまれなる運動能力を備えた彼女は、高校時代サッカーだけでなくバスケット選手としての才能も発揮していました。
 しかし大学進学後はサッカー選手としての道をえらび、2年生から全米選抜に選ばれ、卒業後はプロ選手としてデビューしました。

 めきめきと実力をつけて活躍するワンバックさんは、2004年のアテネオリンピックでも代表選手に選出され、アメリカの金メダル獲得に貢献しました。
 また、ロンドンオリンピックでもアメリカを金メダルに導きます。しかし、彼女がどうしても手に入れられなかったもの、それは、「ワールドカップ優勝」という栄誉でした。特に2011年のドイツで行われたワールドカップの決勝戦での敗戦は特別なものとなりました。

11年ドイツ大会決勝で敗れた「11年7月17日」が、自身のサッカー人生で唯一忘れられない日と強調。

出典:http://www.nikkansports.com/soccer/japan/news/1502133.html

 生まれながらのリーダー気質をそなえているように見える彼女ですが、実は7人きょうだいの末っ子です。
 常に冷静沈着に見える反面、意外と感情的になりやすい、熱血タイプでもあるそうです。
 強靭な体と精神力を持つ、いかにも姐御肌なワンバックさん。そんな“ギャップ”も魅力のひとつなのではないでしょうか。

変わったきっかけ
ついにバロンドールを受章。輝かしいサッカー人生とともに得た、生涯愛する「女性」

 2011年のワールドカップドイツ大会では、なでしこジャパンが優勝し、世界中に強烈な印象を植え付けました。
 この年、世界で最もすぐれたサッカー選手に贈られる「バロンドール」に輝いたのは、日本の澤穂希選手。
 澤さんとワンバックさんは、澤さんが一時アメリカのプロリーグに在籍していたときからの親友です。

今季、米プロリーグ(WPS)は経営難などで活動休止中。ワンバックは「来年、再開されなかったら沢のいる神戸でやろうかしら」と笑顔で語った。
出典:http://www.nikkansports.com/soccer/news/p-sc-tp0-20120322-921098.html

 そんな親友との運命の決戦で、ワンバックさんは惜敗します。
 生涯忘れられない悔しさをかみしめながらも対戦相手をたたえ、祝福したワンバックさんの、凛とした姿は世界中の人々の胸を打ちました。


「日本には『念願と希望』という強力な”12人目”のプレーヤーがいた」「彼らは絶対あきらめなかった」

出典:http://nicoviewer.net/sm15086646

 ワンバックさんの活躍はおとろえることなく、ロンドンオリンピック金メダル獲得への貢献が認められ、ついにバロンドールに輝きます。
 また私生活では、2013年にかつてのチームメイトで親友でもある、サラ・ハフマンさんと結婚しました。

 著名なサッカー選手が選んだ、女性同士の「同性婚」は話題となりました。アメリカでは同性婚が認められている州もありますが、同性愛に対する偏見はまだまだ根強く残っています。
 それは日本も同じ。世界を見渡してみても、同性愛、同性婚に関する認識はまだまだ発展途上です。だからこそ、ワンバックさんの選択は世界中から注目されました。彼女は、みずからの立場や、それがもたらす社会的な影響について冷静に理解しています。また、ニュートラルな姿勢で周囲の反応に向き合っています。

このことは、思い悩むようなことではなく、普通に語り合える、とてもオープンな話題なのです。結婚するって大きなこと。生涯一緒にいる人と結婚したということが話題のポイントなのです。
出典: http://ameblo.jp/womensoccer/entry-11645127791.html

 アメリカ代表選手として、男女を通じて歴代最多得点記録をたたきだしたワンバックさん。
男女の壁をこえて、もっとも偉大な選手のひとりとして認められました。
 彼女の大きな選択が好意的に受け入れられたのは、築き続けた功績の大きさと、彼女のまっすぐな誠実さがあればこそでしょう。

(こうのまちこ)

▶▶【後編へ続く】:これが居心地のいい「愛の形」。女子サッカー選手アビー・ワンバック【後編】

新たな “視点” で、
昨日よりもちょっといいワタシに。
―――― eyes.+