誰に、なにを伝えるか。進化し続ける作家魂。作家・湊かなえ【後編】

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出典:http://www.amazon.co.jp/dp/4575514837

 ベストセラー作家となった湊さんの文章力のもととなったのは、幼い頃からの読書習慣。読書は知識だけでなく、行動力や想像力を与えます。後半は、ミステリー作家というイメージにとらわれず、今後も活躍したいという湊さんのこれからについて、見つめます。

今と、これから
イヤミスだけが十八番じゃない。読み手に合わせた執筆内容で猛進中

 
 湊さんの作品の登場人物は、等身大の人間です。本の中の人間たちが動き出したあとのリアルさと臨場感は、数々の賞として評価され、出版した書籍はたちまち映画やドラマ、漫画化されるほどの人気ぶりです。
 人気作品の中にはバットエンドを迎えるものがいくつかありますが、それらは湊さんの持つ現実的なテーマとメッセージです。

 現実であれば、悪いことが起ころうとしていたらどこかで修正しないといけませんが、物語だから行きつくところまで行ける。それによって、最悪のところまで行かないためにどうすれば良かったのか、とも考えられるわけです。
出典: http://www.sinkan.jp/special/interview/bestsellers57.html

 

 物語を読んで、実際の生活に当てはめて考えてみると、普段の自分の考えだけでは見えないものが見えてきます。
 多くの本を読んだ湊さんは、本で学び、実際に目にしたこと、経験したことを作品にちりばめているのです。

 現実的なテーマと言えば、若者の読書離れについて、アンソロジー『みんなの少年探偵団』掲載の『少女探偵団』のコンセプトからも感じ取ることができます。

 今の子どもたちはあまり少年探偵団シリーズを読まないようなんです。それではもったいないと思うので、入り口になるようなものを書けたらいいなと、今の小学生が自然に理解できるような設定で、でも「少年探偵団の型」はきっちり踏まえた作品にしました。出典: 『みんなの少年探偵団』湊かなえ ほか著[ポプラ社]

 

 このように現在の湊さんは、大人向けのミステリー小説だけではなく、違った作風の物語も執筆しています。若い方でも、湊さんの世界観に触れることができるでしょう。
 
 「作者は誰に何を伝えたいのか」という、作中に隠されたメッセージを読み取ると、読書の面白さは倍増します。湊さんのおっしゃる通り、読まないともったいないと思える作品がたくさんあるのですから、ゆっくりでもいいので本に目を通してみてはいかがでしょうか。
 何を読めばいいかわからないという方は、好きな芸能人の自叙伝や、興味のあることのハウツー本でもいいと思います。人生を変えるような本に出合えたら、最高ですね。
                                                              (たまさき りこ)

キラリと輝く名言

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▶▶【前編を読む】:30代からの本気、地方住まいでも一旗あげてやる! ベストセラー作家湊かなえ

新たな “視点” で、
昨日よりもちょっといいワタシに。
―――― eyes.+

【参考記事】
楽天ブックス 著者インタビュー 湊かなえさん
作家の読書家 第113回 湊かなえさん
ダ・ヴィンチ NEWS 『みんなの少年探偵団』万城目学&湊かなえインタビュー ―「オリジナルを書くよりも緊張」(湊) 「書いているほうはおっかなびっくり」(万城目)
新刊JP 『bestseller’s interview 第57回 湊 かなえさん』