押し付けから知的探求へ。子どもの学びをデジタルの力で進化させる、石戸奈々子の未来予想図【前編】

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 今回は、子供たちの「イマジン&リアライズ(想像力と創造力)」の大切さを広めていくNPO法人CANVASを立ち上げた、石戸奈々子の、デジタル社会における教育信念を見つめます。

ワタシのあの頃
子供の頃から天体好きで、航空宇宙学を目指した大学時代

 幼い少女時代から、宇宙への憧れが強かったという石戸さん。いつかはNASA(アメリカ航空宇宙局)で働きたいと、航空宇宙学科を専攻するために、都内の大学の工学部へと入学します。

「子供の頃は天体少女だったんです。大学では絶対、航空宇宙関連を専攻しようと、ずっと心に決めていた」
出典:http://www.cosmopia.jp/business/hirameki/hirameki_1.html

 ですが、男性主導の航空宇宙関係を知るにつれ、石戸さんは自分の求めていたものとのギャップに違和感を抱くように……。それから、改めて自分の目標を見直したとき、選んだのは「ロボット工学」という、また違った道でした。

私自身が中学のときにポケベルに接し、PHS、iモードと、思春期に新しいテクノロジーに触れて育った世代だと思っています。(中略) 東京大学に入学しましたが、当時の航空宇宙関係のキャリアは重工業などが多く、思っていたものとちょっと違うなと感じ、幅を広げる意味でロボット工学を選びました。
出典:http://resemom.jp/article/2014/10/20/20987_2.html

 小さな頃、月のデコボコや土星の輪を見て、星に興味を持つ子はたくさんいると思いますが、「宇宙に関することを専門的に学びたい」という発想をした石戸さんは、幼いながらも最先端技術に魅入られていたのかもしれません。
 せっかくもう少しというところまで来て、方向転換をすることになったのは本意ではなかったかもしれませんが、ここでスパッと未練を断ち切ったからこそ、新たな出会いに恵まれたのでしょう。

変わったきっかけ
メディアラボで知った新たな方向性。そして、自らNPO法人の設立へ

 きっかけは、在学中に知った、マサチューセッツ工科大学の「メディアラボ」と呼ばれる研究室の存在でした。子ども教育の研究として、「どうしたら、子どもたちが楽しみながら創造性を広げられるのか?」など、さまざまな取り組みがなされていたのです。

子どもに関わりを持つようになったのは、大学在学中にMITメディアラボの存在を知ったことがきっかけです。メディアラボは、さまざまな研究をするだけでなく、それを実際の機器やソフトウェアとして開発し、社会や市場にそれを展開・提供しています。(中略)そんな取組みの存在を発見し、「私のやりたいことはこれだ!」と思うようになりました。
出典:http://resemom.jp/article/2014/10/20/20987_2.html

 それから、メディアラボの客室研究員として、迷うことなく渡米した石戸さん。帰国後、そこでの経験を生かして「遊びと学びのヒミツ基地」をコンセプトにしたNPO法人CANVASを設立します。子どもたちがデジタル技術にふれながら、楽しく参加できるワークショップを展開するためです。

「本来、遊びと学びは一体だったと思うんですよね。学びは、強制的にやらされるものではなく、“ワクワクする知的探求”だったはず。本来の楽しさを取り戻して行かなければならないなと思うんです」
出典:http://www.huffingtonpost.jp/2013/12/06/canvas-ishido-nanako-womans-story_n_4396186.html

 メディアラボに「一目ぼれ」してから、すぐにアメリカへと飛び、戻ってきてからは23歳という年齢でCANVASを立ち上げた石戸さん。「自分がすべき事はこれ!」という確信にみちびかれるように行動する、そのバイタリティには驚くばかりです。

 そんな石戸さんのワークショップは、「教育する」ではなく、「学習する」。「勉強ができるようにする」のではなく、「学びたいという意欲を育てる」ための時間は、子どもたちにとってまさに遊びの延長上にあるのだと教えてくれます。(小森矢 羽美)

▶▶【後編へ続く】:モットーは、イマジン&リアライズ。子どもの学びをデジタルの力で進化させる、石戸奈々子の未来予想図【後編】

新たな “視点” で、
昨日よりもちょっといいワタシに。
―――― eyes.+