「飛び抜けた才能がなかった」アイドル→女優の先駆者、小泉今日子の“脱ストイック”な生き方【前編】

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 「キョンキョン」の愛称で大人気の小泉今日子さん。アイドル全盛期にはトップスターの仲間入りを果たし、松田聖子、中森明菜に次ぐ人気ぶり。現在は「女優」として、テレビ・映画・舞台に出演。50歳を目前にして彼女は自らの人生をどう振り返るのか、今回は小泉さんの生き方を見つめます。

ワタシのあの頃
「なんてったってアイドル」が嫌いだったアイドル時代

 今となっては「ベテラン女優」の彼女も、かつては大人気のアイドルでした。小泉さんがアイドルとして花を咲かせた1990年代は空前のアイドルブーム。アイドル当時のことを彼女は振り返ります。

若い頃から常に自分のことを疑ってるんですよ。例えば、コマーシャルの撮影なんかでも、たとえ現場でOKをいただけても「監督の言ったとおりにできたかな?」という疑いが常にあって、その疑いは次の仕事でしか解消できない。だからこそなにかチャレンジが必要だったのかもしれませんね。」
出典:http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2703M_X20C12A3000000/?df=5

 常に「疑い」をもち、自分を律していた小泉さん。アイドルとして人気絶頂の中、徐々に「女優」へとシフト。キョンキョンブランドを確立しているにもかかわらず、わざわざ女優の仕事に挑戦する必要はあったのでしょうか。

 彼女は女優への想いについて、インタビューでこう語っています。

「結婚引退なさった山口百恵さん的な生き方は、女性の憧れではあるけど、当時のアイドルにはそういう未来の姿しか提示されていなかった。その後、松田聖子さんがご結婚、出産されても、アイドルをやり続ける生き方を見せてくれたけど、それでもモデルはその2つだけ。そんななか、歌もやれば、お芝居もするし、書く仕事もしてみるという、百恵さんや聖子さんとはまた全然違うモデルを見せられた自負はあります。
出典:http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2703M_X20C12A3000000/?df=5

 彼女が述べているように「アイドル」には、年齢的にも体力的にもいつか限界がやってくるもの。当時はアイドルを卒業したら、結婚をして芸能界から引退するか、もしくは松田聖子さんのように「生涯アイドル」を宣言するしか選択肢がありませんでした。
 現代のアイドルAKB48にも卒業制度がありますが、彼女たちは卒業後も芸能界に残り、それが当たり前かのように女優やタレントとして活躍しています。
 小泉さんはアイドルから女優への転身コースを作り上げた先駆者といえるようですね。

変わったきっかけ
30代に入り「アイドル路線」を卒業、女優へと転身

 小泉さんにとってのターニングポイントは30歳前後。徐々にアイドル路線から離れ、女優に転身していった時期。長年演じ続けた「アイドルのキョンキョン」から離れることに抵抗はなかったのでしょうか。

 彼女は後に「転換期」について自然とそういう流れになっていったと、インタビューに答えています。

「30歳ぐらいのときに、『人を喜ばせたい』が自分の中で『驚かせたい』に変わっていって、でも、その後、驚かせることにも息切れするなあ、と感じるようになっていきました。やっぱり、自分の感性もズレて、30代になれば10代の子の気持ちとかわからなくなっていくじゃないですか。まあ、結婚もしたし。」
出典:http://gendai.ismedia.jp/articles/-/37036?page=4

 小泉さんは1995年に俳優・永瀬正敏さんと結婚。しかし、2004年2月に結婚生活にピリオドを打っています。離婚を経験し、女優としても深みが増した今、映画・ドラマはもちろんのこと、活躍の場を舞台にまで広げています。
 2011年に公開された映画「毎日かあさん」では元夫である永瀬さんと「夫婦役」を熱演。元夫婦が夫婦役を演じたと話題になりました。

 枠を狭めず、無限の可能性を秘めながら、キャリアを積み重ねる小泉さん。デビューしてから30年以上、走り続けられた理由を「才能がなかったからだ」といいます。

「30年間活動できた理由は、逆に私に飛び抜けた才能がなかったから(笑)。例えば素晴らしい歌唱力があれば音楽の道を突き詰めようと思っただろうし、本当にストイックな役作りができるのであれば女優業に没頭するんでしょうけど、そうじゃないから、どんな仕事もできちゃうんでしょうね。」
出典:http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2703M_X20C12A3000000/?df=5

(Erica Yamaguchi)

▶▶【後編へ続く】:「年の数だけ仕事が増える」アイドル→女優の先駆者、小泉今日子に学ぶ“脱ストイック”な生き方【後編】

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