「なんで自分だけできないんだろう」と自分を責めていない? 作家・川上未映子から、がんばりすぎちゃう産後ママへ【前編】

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『乳と卵』で芥川賞を受賞し、あっという間に人気作家の仲間入りを果たした川上未映子さん。私生活では2歳になる一児の母。今回は時間を超えて「母」という軸に出逢った川上未映子さんの生き方を見つめます。

ワタシのあの頃
男女では理解し合えない女性ならではのしんどさ

 ミュージシャン、女優、詩人でもある作家の川上さん。アーティストとして最前線で活躍する一方で、私生活では同じ芥川賞作家の阿部和重さんと結婚し、今は2歳になる息子の母。バリバリ働く彼女からは“ネガティブ”な要素が垣間見ることができません。
 しかし、そんな川上さんも妊娠・出産の2年間は「どこまでも孤独だ」と感じたそうです。

 2014年7月には、自身の出産体験に基づいたエッセー『きみは赤ちゃん』を出版。不安定な時期を迎えた女性ならではの心理やしんどさについて書かれています。

妊娠・出産から産後の2年間、本当に色々なことがありましたが、「母、というか、人間はどこまでも孤独だ」と思い知ったことが大きかったです。あべちゃん、あっ夫です(笑)、あべちゃんは、何時間でも対話をして相手を理解しようと努める人ではありますが、私の体が体験しているしんどさは、絶対に分からないわけじゃないですか。もちろん、私や妊娠にかかわらずですけど、他人のしんどさというのは、本当のところは理解できるものではないんですよね。
出典:http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=3434

 男性には決して理解できない女性の不安やしんどさ。繰り返し言葉で説明しても、一向に理解を示そうとしないパートナーに対し、苛立ちを覚える女性も多いはず。お互い理解しきれず、彼という存在がいながらも「孤独」を感じてしまうものですよね。
 川上さんはそんな女性の苦しさを緩和しようと、自らの体験を本にまとめたそう。

 かくいう川上さん自身も、インターネット等を通して、見ず知らずの人が書いた言葉に救われた経験があり、自分も力になりたいと『きみは赤ちゃん』を出版することに。

「誰にも理解されないしんどさを生きてきた人たちが、こんなにもいたんだ」って。会ったこともなく、顔も知らない人が書いた無数の言葉に助けられました。これから妊娠・出産する人、あるいは周りにそういう人がいる人や興味がある人に読んでもらって、少しでも何か力になるような1冊を作れたらいいなと。そんな思いが強くありました。
出典:http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=3434

「なんでみんなはできているのに自分はできないの?」と、ときには自分を責め続けた川上さん。しかし、苦しいながらも、妊娠・出産を乗り越えたからこそ手にできた「軸」もあるとか。(Erica Yamaguchi)

▶▶【後編へ続く】:「授乳以外は、もう何もしなくていいよ……」作家・川上未映子から、がんばりすぎちゃう産後ママへ【後編】

新たな “視点” で、
昨日よりもちょっといいワタシに。
―――― eyes.+