「100%分かり合える」なんて幻想!『テルマエ・ロマエ』の生みの親、ヤマザキマリの自立心【後編】

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今と、これから
『テルマエ・ロマエ』大ヒット。イタリアと日本を行き来し「評伝おこし」漫画を描く

 再婚後、ヤマザキさんは夫の仕事の都合でシリアやポルトガル、アメリカなど世界各国での生活を経験します。
 ローマオタクの夫や、シリアに溢れるローマ文化に触発され、『テルマエ・ロマエ』を執筆。映画化もされる大ヒットとなりました。
 現在は『スティーブ・ジョブズ』『プリニウス』を連載中。自身を「評伝おこし」漫画家と語ります。

 また、ヤマザキさんは外国での生活に必ず息子をともない、現地の学校に入れました。
 いじめに遭いかけ暴力を振るわれたこともありましたが、息子はたくましく成長し、ハワイの大学へ進みます。

子どもの幸せを最優先に置くと、変な自分を見せることになります。(中略)悲しいことも幸せなことも含めて、生きていることがかけがえのないことだと教えられれば、それ以上の教育なんていらない
出典:http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=2675&page=3

 ヤマザキさんは現在、生活と漫画執筆の基盤はイタリア、仕事で日本へやってくる生活をしています。オタク夫と強烈キャラの姑一家とのドタバタもまた、ネタの宝庫です。

お姑さん対応はね、もう諦観する。それしかないです。(中略)「いつかは100%分かり合える」とか、そんな幻想はお互い一切持っていない。(中略)自分のことは自分で責任を持つ自覚が前提にあって、信頼できないなかで築き上げていく信頼関係は、作っていくことができればものすごく太くて強固になります。
出典:http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=2710

 国際結婚では、文化や考え方の食い違いで苦労が多いと言われます。
 たとえ同国人でも、他人は他人。自分ではない人間の考えをすべて理解し合うことなど不可能です。
 それよりも、理解されないことへの怒りやイラつきをコントロールする方法を学ぶ方が、はるかに楽で近道でしょう。

 常に自分に責任を持って行動しているからこそ、救いの手や知的な刺激が与えられたとき、ヤマザキさんはピュアに感動し、素直に感謝できるのではないでしょうか。
 彼女の感性は、自分の人生を自分で切り拓くたくましさによっていつも磨かれているのです。

 それは育児に対しても同じです。母親としての責任を取るのは母親自身。子どもが、成功や出世によって肩代わりするものではありません。
「これからあなたにもきっと素敵な人生が待っているよ。だって私は今、苦労はあるけどこんなに面白く生きているんだもの!」と胸を張る姿勢こそ、何よりの教科書ではないでしょうか。

(河野真知子)

キラリと輝く名言

かつて存在した、 忘れたくない人や歴史を掘り起こして、 漫画で伝えたい。

▶▶【前編を読む】:ひとりで働き、ひとりで出産!『テルマエ・ロマエ』の生みの親、ヤマザキマリの自立心【前編】

新たな “視点” で、
昨日よりもちょっといいワタシに。
―――― eyes.+