ひとりで働き、ひとりで出産!『テルマエ・ロマエ』の生みの親、ヤマザキマリの自立心【前編】

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 今回は、『テルマエ・ロマエ』で一世を風靡し、現在も『スティーブ・ジョブズ』など世界が注目する漫画を描き続けるヤマザキさんの、独立心に満ちたイタリアでの日々に培ったもの、そして国際再婚で得た生きる力を見つめます。

ワタシのあの頃
17歳で芸術を学びに単身イタリアへ。詩人との「非社会的」な10年の恋を終わらせた出産

 ヤマザキさんは指揮者の父、ヴィオラ奏者の母の間に産まれました。その後父が亡くなり、母は音楽で生活するため子どもを連れて、東京から北海道へと移り住みます。
 ヤマザキさんは14歳の頃、芸術に触れるため単身ヨーロッパを一人旅しています。
そこで知り合ったイタリア人の陶芸家の老人に導かれ、芸術を学ぶために再びイタリアへ旅立ちました。留学ではなく、移民する覚悟だったそうです。

絶対に傷つくことがあると心構えをして行った方がいい。『自分の世界観を広げたい』くらいの気持ちで行くことを推奨しますね。
出典:http://daigaku.shingakunavi.jp/p/contents/student/top_message/case04.html

 フィレンツェで美術史や油絵を学びながら、ヤマザキさんは詩人の男性と恋に落ちます。しかし生活力のない詩人との暮らしは、常に破綻寸前の厳しいものでした。
 そんな中、ヤマザキさんは妊娠します。彼女はギリギリまでひとりで働き続けて生活を支え、ひとりで子どもを出産しました。
 どんなに喧嘩をしても、生活が苦しくても別れられなかった恋人。しかし、分娩台で長男を抱いたとき、心に「別れよう」という決意が舞い降りました。

親として、生きていることは楽しいことと幸せなことでいっぱいなのよ、ととりあえずは子どもに見せなければいけないと思ったのです。だから、舞台から降りて、現実の自分に戻さないといけなかった。
出典:http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=2675&page=3

 ヤマザキさんは、どんな困難に直面しても、それを他人のせいにしません。「頼れるのは自分だ」という強い意識が、常にヤマザキさんの根底にあります。

 他人に頼らないからこそ、自身の「頼りがい」を鍛え、さらに新しい世界へと飛び込んで行けるのでしょう。

変わったきっかけ
育児のために帰国、10足のわらじをはく日々で描き始めた漫画。そして再び国際結婚へ

 シングルマザーとして子どもを育てるため、ヤマザキさんは日本へ一時帰国しました。
 同じように女手ひとつでヤマザキさんを育ててくれた母は、音楽教室の仕事をしながらたくましく育児をサポートしてくれたそうです。
 「親の都合で産んだ子を飢えさせてはならない」と、レポーターや事務職、イタリア語講師など、まさに10足のわらじをはくような仕事の日々を送ります。漫画執筆もそのひとつでした。

お金を稼ぐ目的で選んだ仕事とプライドを融合させない(中略)「基本あなたは何だってできる、何やったっていいじゃない本質は変わらないんだから。やりたくない事をやったからってなにもそれに嫌々染まる必要もない
出典:http://news.mynavi.jp/articles/2014/05/20/yamazakimari/

 社会的に認められた仕事をすることで、自分のプライドを支えている女性は少なくないでしょう。それが夫の職業や、子どもの進学になっている女性もいます。

 仕事に対してプライドを持つことは大切なことです。でも、自分という人間の本質を問われたら、同じプライドを持ち続けていられるでしょうか。

 仕事や夫の職業、子どもの学歴などがすべて通用しない場所――たとえば外国でたったひとり、暮らしていかなければならないとき、「でも大丈夫、私なら」と胸を張れるでしょうか。

 その後、ヤマザキさんは17歳の頃、自分をイタリアへと誘ってくれた陶芸家の老人の孫と結婚します。なんとヤマザキさんが14歳年上、6歳の息子を連れての歳の差国際再婚でした。
(河野真知子)

▶▶【後編へ続く】:「100%分かり合える」なんて幻想!『テルマエ・ロマエ』の生みの親、ヤマザキマリの自立心【後編】

新たな “視点” で、
昨日よりもちょっといいワタシに。
―――― eyes.+