東京では叶わなかった夢がある! 野草研究家・鶴岡舞子が伝える、お金に左右されない生き方

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 今回は、「地域おこし協力隊」として山梨に移住した女性、鶴岡舞子さんの農業にかける真摯な情熱と、「野草研究」というライフワークに力を注ぐ姿を見つめます。

ワタシのあの頃
将来を見据えて決めた「農業」という選択肢。そして、直面した高い壁

 東京生まれの東京育ちだった鶴岡さんが、農業を目指したきっかけは15歳の頃。そのときすでに、いつか東京を離れて移住することを決意し、東京農業大学卒業後に山梨県の甲府市で働き始めました。

いつ貨幣の価値が変わってもおかしくないと言われている中で、お金に左右されないで生きていける道って何なのかなって考えたときに、食べるものがキーワードかなって思ったんです。
出典:http://garakuta.tokyo/1248

 キャンプインストラクターなどを経てようやく念願の果樹栽培に携わったものの、思っていた以上に道は険しく、さまざまな壁にぶつかってしまいます。そして、一度は失意のまま東京へと帰ったのでした。

農業とは家族で「家業」として成り立つものであることを身を持って知り、女性ひとりで生計を立てていくことの大きな不安と挫折感を感じ、一度仕切り直そうと、地元東京に戻っていました。
出典:http://www.iju-join.jp/chiikiokoshi/report/backnumber/no43/index.html

 15歳という若さで、今はあまり多くの若者が望まないような農業という仕事を選んだ鶴岡さん。その決意が迷うことなく、大学卒業後にすぐに移住するという行動力は、誰もが持てるものではありません。
 残念ながら、すぐに夢に描いていた農業にたどり着くことができず、帰京するという厳しい体験もしました。でも、そのとき山梨の地に蒔いてきた鶴岡さんの希望の種が、枯れることなく芽を出したからこそ、再び移住という未来と向き合えたのではないでしょうか。

変わったきっかけ
数年後、別の形での再チャレンジ! 野草研究の経験も生かせる仕事に

 けれど、やはり思いを捨てられず、偶然知った甲州市の「地域おこし協力隊」に入ることで再度チャレンジ。積極的に溶けこもうとすることで、地域にも温かく受け入れてもらえました。

都会では無関心で何事もなく自分の世界観だけで過ごせていたかもしれませんが、自分から一歩進んで顔出すことだけで、こんなにも世間と自分は繋がるのかと驚きました。
出典:http://www.iju-join.jp/chiikiokoshi/report/backnumber/no43/index.html

 そして、農業以外にもライフワークとなっているのが野草研究。一見雑草にしか見えないような原っぱも、鶴岡さんにとっては「宝の山」です。その深い知識を広く伝えていくのも協力隊としての役割のひとつ。

綿って昔は国内でも栽培が盛んで、何千種類ってあったんですけれど、今出回っている在来種は8種類くらいしかないって言われているんですよ。それを知ると、残していかないとだめじゃんって。そういったことを知らなかった無知さに、日本人としてすごく恥ずかしさがあるんですね。
出典:http://garakuta.tokyo/1248

 都会に比べ、近隣の密着性が強いと言われる地方にひとり飛び込み、馴染めるまでには想像以上に大変で時間がかかったはず。最初に来たときにはそれが上手くいかなかったけど、再び訪れたときにはうまく溶け込めたのは、鶴岡さん自身の意識や感情が、より甲州という地と同化することができたからかもしれません。
 野草の研究にしても、誰も目を向けなかったような草たちを「宝」として大切さを広めていきたいという姿勢や、それを生かして地域に貢献したいと意欲的に前に進む姿が印象的です。

今と、これから
山梨で土とともに生きながら、野草の魅力をもっと広めていきたい

 3年間しかない協力隊の任期はもう終わってしまいますが、これからも山梨に定住したいという鶴岡さん。今まで培ってきた活動も止めることなく、地域に貢献していきたいと言います。

東京と山梨だと、前者は人間優位で、後者は自然優位。全く違う匂いを感じます。実家から高速道路で帰ってくるときも、笹子トンネルを抜けてフルーツ公園の灯りが見えだしたりすると、ほっとします。私には土の匂いがする山梨の空気が合っているんでしょうね
出典:http://www.yamanashi-joyful.org/interview/56/

 また、野草のことをもっと広く知ってもらいたいと、鶴岡さんのお店「摘み草のお店・つちころび」でスクールを開いたり、商品を考案したり、「野草研究家」としても幅広く活躍の場を広げています。

最初から無理はしないで、少しずつお店としての活動を広げていければと思っています。
自分は山梨を離れるつもりは全くないので、この地にしっかり足をつけて、ぶれないように物事を選択していきたいですね。
出典:http://garakuta.tokyo/1248

 その土地に根を張り、その土地とともに生きる。そして、その土地のためにできることをする。こんな風に自分が暮らす場所のことを考えることができる鶴岡さんからは、どれほど山梨という土地と、そこにある自然を愛しているのかが伝わってきます。
 一見「雑草」として扱われがちの野草にも、様々な効能や利点があることをわたしたちに教えてくれた鶴岡さん。野草研究家として、これからも自然とともにマイペースに歩み続けることでしょう。
(小森矢 羽美)

キラリと輝く名言

人生の流れに身を任せて、じっくりと根付けるように歩んでいきたいです。

新たな “視点” で、
昨日よりもちょっといいワタシに。
―――― eyes.+