格差婚で何が悪い! 西川ヘレンが出会った「人生でいちばん大切なもの」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 今回は、吉本新喜劇でのスターの座を降りたあと、夫、西川きよしさんとの貧しい生活を乗り越え、夫や自分の親の介護をはじめ、家族を支え続けてきた西川ヘレンさんの「家族に対する思い」に迫ります。

ワタシのあの頃
「混血」と差別され、ひとり自室にこもって遊んだ時間に夢見た「温かい家庭」

 アメリカ人の父親と日本人の母親の間に生まれたヘレンさんは、子ども時代、数々の嫌がらせを受けました。人形相手にひとりで「ままごと」をし、ノートに家の見取り図をたくさん描いて遊ぶ少女だったそうです。

 当時は、ヘレンさんのように両親が違う国の子どもは「混血」と呼ばれ、今以上に偏見や差別のある時代。見た目は外国人のようであっても、生まれも育ちも京都のヘレンさんにとっては、その偏見は辛いことだったにちがいありません。父親を知らず、母子家庭に育ったヘレンさんは人一倍、「家族」や「家庭」に憧れ、その夢をひとり遊びの時間にかなえていたのでしょう。

変わったきっかけ
格差婚なんて気にしない! 自分にとって、いちばん大事なものは「家庭のぬくもり」

 高校を中退し吉本興業に入ったヘレンさんは、「わたし外人やから、日本語わかりません」と関西弁でまくしたてるギャグで吉本新喜劇のマドンナとなります。

 毎日多忙なヘレンさんは、ある日40度の高熱で倒れ、同じ吉本に所属していた売れない若手芸人・西川きよしさんの家に案内され、看病されます。生まれて初めて寄せてもらった家は、貧乏のどん底にありましたが、きよしさんの父をはじめ、みんなから「大丈夫か!」と声をかけられ、温かいもてなしを受けたのでした。

おうちにはいったときに、たとえてみれば床暖房がはいってるような温かさを感じたんです。母子家庭で育って、それまで、ただうらやましいと思うだけだった家庭のぬくもりというのを、肌で知ったんです。熱があるのに、嫌な顔されることなく、心から、“いらっしゃい”って肩を寄せ合って暮らしている家族の中に迎えてくださった。
出典:西川きよし 突然家にやってきた妻・ヘレンは「ペリー提督」

 それがきっかけとなり、周囲の反対を押し切って19歳で結婚。当時ヘレンさんのギャラは月20万円、それに対してきよしさんのギャラは5500円。格差婚と言われました。ヘレンさんは仕事を辞め、山あり谷ありの夫を精神的にも金銭的にも支え続けます。

結婚してしばらくは、家内がアルバイトをして家計を支えてくれました。彼女は結婚を境に吉本新喜劇を辞めたんですがキャバレーで歌ったり、商店街の大売出しのイベントにゲスト出演したりして。家内には本当に感謝しています。(夫・西川きよしさん談)
出典:http://jisin.jp/

 吉本で大スターだったヘレンさんが初めて味わった西川家の「家庭の温かさ」。彼女は、その幸せを選ぶことになんのためらいもありませんでした。収入が多く、花形だった地位をスッパリ捨て、収入の低い“きよし”に嫁いだ潔さが彼女の魅力でしょう。

 ヘレンさんが求めていたのは、金銭的なものではなく「家庭のぬくもり」だったのです。「自分にとって、何がいちばん大切か」をきちんと認識できていたからこその選択だったにちがいありません。

今と、これから
介護と看取りで一段と深まった家族愛。「これからも夫や子どもたちを支え続けます」

 ヘレンさん自身も更年期障害に苦しみながら、3人の老人介護に明け暮れた時期。そのときに支えてくれたのが、家族を中心とした身内でした。

 愚痴を聞いてくれた義姉たちや夫に感謝し、「お世話させていただけた」と義父たちにまで感謝する姿は、子どもたちも大きく成長させます。

おまえが、うちの両親によくしてくれるから、ぼくらも自然とおまえのお母さんのオムツ替えもできたんや。そんな姿を見てるから、3人の子供たち、ふたりの嫁も、家にいればおふくろをよく看てくれる。それにまだ小さいけど、いまは孫たちが、よくおふくろと遊んでくれている(夫・西川きよし談)
出典:3人の介護経験もつ西川きよし妻・ヘレンさん 介護を語る

恩ある人のお世話をさせてもらうことは“年輪の一つ”。3人の父母の介護をさせていただいたことに、心から感謝しています。
出典:http://tadekuu-mushi.jugem.jp/

 夫に浮気されたときでさえ、自分に何か原因があったからだろうかと自分を振り返ったというヘレンさん。つい他人のせいにして相手を責めがちな場面でも、いつも自分を冷静に振り返り、相手に感謝することを忘れなかったのです。

 芸能界の華やかな世界から、24歳で3人の老人と同居し、看取りまで行った家庭の主婦への転身。彼女は常に、家庭を、家族を大切に守ることで幸せをつかんできました。選択には「両方とる」「両方捨てる」「どちらか一方をとる」の3つがありますが、ヘレンさんの選んだ道は“家族”。「家族の中に幸せを見つけるのがいちばん大事」と思う彼女にとっては正しい選択だったにちがいありません。

キラリと輝く名言

生まれ変わっても、あなたの妻になりす。

新たな “視点” で、
昨日よりもちょっといいワタシに。
―――― eyes.+