タニタ食堂は1食500kcal。制約の中でトライ&エラーを続け、美味しさと健康を届ける栄養士・荻野菜々子

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 今回は、レシピ本『体脂肪計タニタの社員食堂』を監修した女性、栄養士・荻野菜々子さんのトライ&エラーを続けた先の幸せと喜び、そして、やりがいを見つめます。

ワタシの原点
子どものころに食べた、祖母や母の美味しい料理が私の原点

 「家庭料理」に恵まれた子ども時代を経て、短大時代は、栄養学を専攻。毎日、祖母や母親の美味しい手料理を食べて育った荻野さんにとっては、ごく自然な選択でした。

「栄養士」を目指す特別なきっかけがあったわけではありませんが、母や祖母の影響はとても大きかったなと思います。わが家では、食事といえば手作り料理が当たり前。外食はたまにしかしませんでした。私自身、母や祖母の手料理が大好きでしたし、食べることが好きになったのも、母が料理をする姿を見て育ったことが関係していると思います。
出典:http://shinronavi.com/

 食べることの幸せを日々感じていたからこそ、自然と「食」に興味を抱いたのでしょう。大学で栄養学を学び、栄養士の資格を取ろうと考えたのは、それがあればライフステージが変わっても自分のためになる、と考えたからといいます。彼女の原点は、子どもの頃に育った家庭にありました。

 しかし、栄養学を学び資格を取ったものの、卒業後は3年間、保育園や飲食店のバイトや高校時代から続けていたバンド活動に力を注ぎました。

変わったきっかけ
「ずっとこうやっていても稼げるわけじゃないし……」バンド仲間のそのひと言が私を変えた

バンドとアルバイトを両立した生活で3年間が過ぎたのですが、次第に、両方とも中途半端な状態になっていきました。そんな折、バンド仲間が言った「ずっと こうやっていても稼げるわけじゃないし……」というひと言は、私の気持ちを言い当てていました。まさに「目が覚めた」瞬間でもありました。そこで、好きな ことをやるのもいいけど、せっかく資格を持っているのだからそれを生かそうと思い、栄養士として働くことを決意。
出典:http://shinronavi.com/

 「バンドとアルバイトを両立」という生活の中で漠然と感じていた「中途半端感」。極めつけは、バンド仲間のひと言でした。自立するために、栄養士として働こうと、タニタに就職します。

 自宅で使っていたのがタニタの体重計だったからと、タニタに応募したところに彼女らしさが表れている。進むべき道を正確に把握し、素早く行動。それが、彼女のもつ魅力であり、成功の要因になっているのではないだろうか。

 社員食堂の前身は減量指導施設でした。そのために、はじめは病院食のようなメニューが多く、「味が薄い」「食べ応えがない」などの理由で社員食堂を敬遠している社員が多かったのです。そこで、荻野さんは油分や塩分を押さえ、材料を大きく切るなど、自分なりにできる工夫を重ねました。

社員さん実は美味しいとかまずいとか言わないんです(笑)。何で分かるかっていうと残し方でわかるんです。いつだったか、らっきょうを細かく刻んでオクラと和えた料理を出したら、全部残ってくるんです。びっくりして。「何がいけないのかなぁ!!」って思いました。もしかしたららっきょうのネギ臭さが嫌だったのかもしれないし、推測しながら修正していくんです。
出典:http://www.j-wave.co.jp/

 カロリーを制限しながら、薄味でも満足してもらえるメニューの開発。苦労も多かったと思いますが、その結果がすぐ目の前で確認できるというのは、やりがいも大きいものに違いありません。「タニタ食堂」で受け継がれてきたレシピを再度チェックしたという研究熱心なところも評価される点でしょう。その見直しの結果、美味しく見せるための色合いに気付いたのです。実に、努力の人なのです。

ワタシの今、そしてこれから
栄養士としての自信をもって、これからもメニュー作りに励みたい

 そして、ついにタニタルールを考案。栄養、美味しさ、満足感、そしてヘルシーさ、それら全てのバランスが上手くとれる「1食500キロカロリー前後」「食べる時間はゆっくり20分かける」です。そして、健康的で痩せられる、タニタ食堂の献立が一躍ブームとなりました。

栄養のことはもちろん気を配りますが、常に「おいしく料理を作るにはどうしたらいいか」も考えています。「おいしかったよ」と言われるとやはりうれしい! これからもおいしく作り、胸を張って料理を提供していきたいです。今後は、栄養士としてさらに自信を持って仕事ができるよう、いろいろな知識を身につけたいと思います。
出典:http://shinronavi.com/

 1食500キロカロリーというメニューを提供し続けたことにより、社員の「食」「健康」に対する意識が変わってきました。「野菜が好きになった」「1食変えただけなのに痩せた」という声も、自由に盛ることのできるごはんをスケールできちんと計る男性社員が出てきたのも、荻野さんはとても嬉しいと話しています。その喜びがまた未来への原動力となるのです。
 
 これからも荻野さんは、社員にとどまらず、日本中のタニタ食堂ファンのために新しいメニューの開発に努力し続けていくことでしょう。
(山庭さくら)

キラリと輝く名言

「何がいけないのかなぁ…」の推測と修正の地味な繰り返しが、必ず大きな喜びを連れてくる。

新たな “視点” で、
昨日よりもちょっといいワタシに。
―――― eyes.+

 

【荻野菜々子さんの名言】
教養は無駄にはならない。いつか絶対、役に立つ!
「おいしかったよ」と言われると やはりうれしい!
「何がいけないのかなぁ…」の推測と修正の地味な繰り返しが、必ず大きな喜びを連れてくる。

【参考記事】

栄養士 荻野菜々子さん(進路ナビ)
LIFE IS A GIFT(J-WAVE)
タニタ社員食堂の秘密と、誰でも実践できるダイエットの工夫(WISDOM)
【いきいき】「タニタ食堂」の栄養士 荻野菜々子さん
タニタ 荻野菜々子 of ベストセラーズゲストアーカイブ
突撃!となりの社員食堂 株式会社タニタ(働く女研究所)